捜真女学校同窓会では長年にわたってクリスマスを覚え、礼拝を神様に捧げてきました。このクリスマス礼拝は、1984年からPTAと合同で行うようになりました。寒い時期ですが、毎年広いチャペルを埋め尽くす700名を超える参加者が、卒業したての若い方から90歳を超える大先輩、また小さいお子さんを連れたご家族連れまで丘の上の母校に集います。クリスマスを共に祝い、キリストの誕生を喜び、一人一人の心に救い主をお迎えするひと時を過ごします。
クリスマス礼拝の特徴は
★第1部は礼拝で、クリスマスのメッセージをいただき、ハンドベルの演奏、同窓生・PTAの合同聖歌隊による合唱があります。(同窓生による合唱はシャローム、PTA・OGの方々はコーロリディアというコーラスの会のメンバーです)
★第2部は聖書朗読とクリスマスの讃美歌を全員でたくさん歌います。
★第3部は舞踏家の大野一雄先生より受け継いだ、演劇部OGによる無言劇のページェント(聖誕劇)があります。
★弦楽部の在校生とOGが協力して弦楽合奏による音楽を担当します。
★最後に生徒の時に毎年歌ったヘンデル作曲オラトリオ「メサイア(救世主)」のなかのハレルヤコーラスを全員で合唱します。(ヘンデルの「メサイア」は馬小屋で生まれたイエス・キリストの生涯を歌った壮大な宗教曲です。全ての歌詞は聖書の言葉です。ヘンデルは信仰によりこの曲を作曲しました。そしてその曲のクライマックスで「ハレルヤ」が歌われます。)
同窓会報に載せられた感想の一部と今年(2019)寄せられた感想をご紹介して、捜真のクリスマス礼拝の雰囲気を感じていただければと思います。
「ハレルヤ」を歌う喜び
チャペル内に荘厳なパイプオルガンの音色が響き渡ります。
十代から九十歳代までの同窓生が集い、皆よろこびに満ちた様子でした。参列者全員が全身全霊で合唱する「ハレルヤ」は、同窓会のクリスマス礼拝ならではのハイライトです。
今年も三塚先生の指揮のもと、心からの歌声で同窓生はひとつになりました。高校の時、ソプラノだった私は残念ながら今は高音が出ません。でも若い後輩達の美しい歌声に乗せられながらハレルヤに酔っていました。大野一雄先生ご指導による舞踏の世界のページェントは、若い同窓生に脈々と受け継がれています。
管弦楽の皆さんの演奏の中、イエス様の誕生の喜びを表現する魂のページェントから、大野先生が捜真に遺してくださった尊いものを感じました。終了後、捜真に帰ってクリスマス礼拝ができる幸せをかみしめながら心満たされて帰宅した聖夜でした。
S.K(高16回)1964年卒
幻想的なページェント
毎年12月に入ると、社内ではボーナス、忘年会、年末年始の話題でもちきりになりますが、私たちには捜真のクリスマスに出席できるかどうかが一番の気掛かりとなります。7時から始まる礼拝に間に合わせるのは至難の技で、いつも遅くなってしまいます。そんな焦る気持ちを静めてくれるかのように、一歩チャペルに入ると重厚なパイプオルガンの音色や美しい聖歌隊の歌声が私たちを迎えてくれます。と同時にイエス・キリストの誕生を心から祝うために集まっていらっしゃる先輩・後輩の皆さまの感謝の気持ちが感じられ、礼拝に参加した喜びを味わうことができるのです。
日野先生の心温まるメッセージをお聴きし、大野先生の幻想的なページェントを拝見していると、自然と温かな優しい気持ちになってきます。このクリスマス礼拝が、これからもずっと巣立っていった私たちと母校捜真との深い絆となっていくことを願っています。
M.O J.F(高23回)1971年卒(同窓会報 第16号 P7 1993年7月9日発行)
温かい心のつながり
12月21日午後7時、母校礼拝堂において、同窓会・PTA合同のクリスマス礼拝が催されました。私は会社勤めの娘の帰りを待って一緒に参加させていただきました。日野校長先生の司会により会衆一同クリスマスの讃美歌を声高らかに歌い、聖書朗読とお祈りに続き、千葉理事長先生のメッセージをいただきました。聖歌隊のよる詩編23編の合唱は、礼拝堂の中を清らかに流れ、大野一雄先生のページェントには、まことに厳粛な感動を覚えました。大先輩から今年卒業された後輩方、PTAの方々と共に「ハレルヤ」を合唱したときの感激。娘とともに捜真をいしずえとする大家族の集まりと、温かい心の繫がりを感じました。
M.W(高1回)1948年卒(同窓会報 第5号 P6 1985年6月7日発行)