花咲く同窓生

多様化する社会の中で「地の塩、世の光」としてたゆみない歩みを続けている卒業生を紹介します。
既に神様のもとに召された方々に対しても、記憶にとどめ、敬意を表したいと思います。
1966年卒業(高18)

沢田 淳子

Sawada Junko
キルト作家
【略歴】

1970  明治学院大学文学部卒業  

1981 企業での勤務のかたわら、パッチワークに興味をもち
   野原チャック パッチワークスクール「ハーツ & ハンズ」に通いだす 

1984  同校の専任講師 

1996 「日本のキルト20人展」(朝日新聞社主催)招待出品

2001 「AQS(アメリカン キルターズ ソサエティ)キルトコンテスト」ケンタッキー州
   Mixed Technique部門1位、1999年 Innovative 部門2位、2002年 同3位

2002 「第1回東京国際キルトフェスティバル」(NHK主催 於:東京ドーム)
   2020年終了まで招待出品

2004 「世界のキルト作家100人展=キルトに託したジャポニズム」
    (日本手芸普及協会主催)招待出品    

2006  個展「沢田淳子のパッチワーク キルト展」(於∶自由学園 明日館)開催

2008  台中(台湾)にて「ミシンキルト講座」担当 (ベルニナミシン主催)                  

2009 「インターナショナル キルトウィーク横浜」
    (パッチワーク通信社主催 於∶パシフィコ横浜) 2014年終了まで招待出品 

2010 「日本の色と形 和のキルト 100人展」(朝日新聞社主催)招待出品                       

2011  台北(台湾)にて「パッチワーク指導員養成講座」担当(日本手芸普及協会主催)                

2013 ソウル(韓国)にて「ミシンキルト講座」担当 (ジャノメミシン主催)

2014 「和キルト×百段階段」(於:目黒雅叙園) 2020年終了まで招待出品

2015  個展「沢田淳子のパッチワーク キルト展」 (於∶南青山 ギャラリー5610)

2016 「キルト&ステッチショー」(日本手芸普及協会主催 於∶東京ビッグサイト)  

    2019年終了まで招待出品
    その他 キルト専門誌に作品や記事を多数掲載 

 

《捜真の想い出》

緑豊かな中庭の先には、当時体育館があり、いつもリズミカルな太鼓の音が聞こえていました。不思議な音の主は、世界的舞踏家 大野一雄先生です。

体育の時間になると、私達全員は横一列に並び、「天に届く様に、頭の中心を高く高く意識しなさい。天空と一体となって、心を無の状態に保ち、一歩一歩進みなさい。」と、先生の穏やかな言葉と共に、ゆっくりと太鼓の音が響きました。

今までヒソヒソ話しやクスクス笑っていた私達も、この頃にはこの静寂さに身も心も浸っていました。

窓から差し込む光の中、吹き抜ける風を感じながら、いつしか「私達は神様から愛される為に生まれ、人を愛する為に生きている」と、そっと教えてくださったのです。 

この体験は今でも心にのこる大切な〈贈り物〉です。

 

【継続は力なり】

パッチワークを始めて約40年になります。

会社勤めをしていた頃、着古した衣類の一部を小さくていねいにつなぎ合わせた、暖かな表情をもつパッチワークに興味を感じ、お教室に通い始めました。

その後、その学校の講師になり、たくさんの生徒さんと出会い、個性豊かな素敵なキルト制作の助けをしてきました。布の色柄の組合せ、デザインは無限です。

部屋中に生地を並べ、夜遅くまで夢中でベッドカバーサイズのキルトを作り上げました。

すぐに雑誌社から作品制作の依頼を受けるようになり、与えられたテーマのデザインを期限内に制作することに喜びを感じました。

各地で開催されるキルト展にも招待展示され、海外での講習会の機会もいただきました。

第一回から参加していたNHK主催のキルトフェスティバルも、コロナ禍にあって19回で終了してしまいましたが、その間、多くのキルターの方々と交流を通じて刺激をいただきました。

名も無き人の手仕事は、心の温もりと安らぎを与えてくれます。

だれかのために何かを作りたいと思う生徒さんの姿は、皆輝いています。

気付いてみたら40年、パッチワークを通して学んできたことを心に、これからの人生を豊かに過ごしたいと思っております。

 

(ヴォーグ学園横浜校講師)

2022.11.11公開

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