花咲く同窓生

多様化する社会の中で「地の塩、世の光」としてたゆみない歩みを続けている卒業生を紹介します。
既に神様のもとに召された方々に対しても、記憶にとどめ、敬意を表したいと思います。
2003年卒業(高55)

荒井 章乃

Arai Ayano
バイオリニスト

【略歴】

桐朋学園大学卒業。かながわ音楽コンクールにてピアノ部門優秀賞、ヴァイオリン部門最優秀賞及び神奈川新聞社社長賞受賞。全日本学生音楽コンクール高校の部全国大会第1位受賞。第6回大阪国際室内楽コンクールピアノトリオ部門第3位受賞(日本人初の入賞)。宮崎国際、防府等の音楽祭、NHK-FM「名曲リサイタル」、(一財)地域創造公共ホール音楽活性化アウトリーチフォーラム等に出演。これまでに神奈川フィルハーモニー管弦楽団、東京フィルハーモニー交響楽団、チェコフィルハーモニー室内管弦楽団等、国内外のオーケストラと共演。現在、ソロ・室内楽・オーケストラの客演首席奏者等幅広い演奏活動を行う。桐朋学園大学付属音楽教室講師。

《捜真の思い出》

捜真では小学校から高校までの12年間を過ごしました。この場所しか知らずに育ったといっても過言ではないほど、特別な思いのある母校です。

幼い頃から楽器は弾いていましたが、ヴァイオリンの道へ進もうと決心したのは遅く、中学の終わり頃でした。それでも音楽高校への受験は不思議とあまり考えていませんでした。そのまま進学したため高校生の頃は音楽と学校の両立(できていたかは二の次として)が大変な時もありましたが、ヴァイオリニストとしての活動をいつも先生方や友人達が応援し、サポートしてくださったからこそ続けることができ、そのおかげで今の私がいます。

『求めなさい そうすれば与えられる』

在学中、数えきれないほど耳にしてきたこの聖句。年齢を重ね、環境も変わっていく中、どんな時も挑戦する気持ちを諦めたくないと思える根底には、捜真で学び心に留めていたこの聖句がずっとあるからだと思っています。

一日遠足で行った出来立てほやほやのディズニーシーや、修学旅行で食べた南禅寺の湯豆腐の美味しさ、高校三年生の時には、文化祭で先生方とシャンソンの『枯葉』をセッションしたり、水泳大会では有志でシンクロナイトスイミングにチャレンジしたことなど。学校生活も持て余すことなく堪能していた私は、行事のみならず日々の生活全てが卒業して20年経った今も思い出深く残っています。朝起きるのが苦手だったので、毎日のように本鈴の鳴り終わる前をめがけて教室に全速で駆け込んでいたのも今となっては思い出の一つです(笑)

多感な時期だったこともありますが、どんな時もありのままの自分で居させてくれたこと、弱音を吐き出しても受け止めてくる環境に恵まれていたこと。人生の半分以上の時間を共に過ごしている一生の友だちに出会えたのも、ここ、捜真です。

でも、その愛情の深さや良さを身をもって感じるようになったのは、卒業してからのことでした。

この先、どんな“捜真“が私の中でよみがえり、私を支えてくれるのか楽しみです。

 

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