花咲く同窓生

多様化する社会の中で「地の塩、世の光」としてたゆみない歩みを続けている卒業生を紹介します。
既に神様のもとに召された方々に対しても、記憶にとどめ、敬意を表したいと思います。
1963年卒業(高15)

入江 和子

Irie Kazuko
元日本テレビプロデューサー 皇室 王室ジャーナリスト
【略歴】
1963年3月 捜真女学校卒業
1968年3月 成城大学文芸学部英文学科卒業
1968年4月 日本テレビ放送網(株)入社

 

日本テレビ職歴

1976年 日本テレビ放送網(株)小林与三次社長秘書

1981年 社会情報局「竹村健一の世相講談」プロデューサー

1989年~10年間 社会情報局

 1.番組「思いっきりテレビ」1988年6月~1998年6月

 2.番組「ごちそうさま」1988年6月~1998年6月

 3.スペシャル海外旅番組「すっぴん女二人旅」6シリーズ制作

   第1回 ロサンゼルス&ラスベガス1992年 浅田美代子&岡本夏生

   第2回 香港 1993年 松本明子&髙橋ひとみ

   第3回 ニューヨーク 1994年 松本明子&髙橋ひとみ

   第4回 ロンドン&パリ 1995年 山瀬まみ&石野ようこ

   第5回 ミラノ&ベニス 1997年 山田邦子&梅宮アンナ

   第6回 スペイン 1998年 久本雅美&マルシア

1998年7月~2013年3月 報道局、報道番組部「皇室日記」プロデューサーを務める。

その間スペシャル番組「皇室大百科」、「天皇皇后両陛下ご結婚50年」、「赤坂迎賓」他制作

2013年3月 日本テレビ放送網(株)退社

 

現在、皇室 王室ジャーナリストとして文藝春秋他に執筆。

各宮家の同行取材による制作。秋篠宮ご一家タイご訪問(2003年)、悠仁さまご誕生の特別番組を制作。

世界の王室、スペイン、イギリス、オランダ、ヨルダン等プリンセス取材にも力を注ぎ、スペシャル番組「世界のプリンセス」シリーズ3回制作。

 

執 筆

 文藝春秋2013年7月号「逆境に屈しない世界のプリンス物語」

        9月号「キャサリン妃と雅子妃 伝統と格式の試練」

     2014年4月号 心臓手術執刀医が明かす「三笠宮さま98歳元気の秘密」

             巻頭随筆「ジョージ王子0歳の公務」

テレビ出演 2016年12月 BS朝日「世界のプリンセス物語」

      2017年 1月 BS朝日 皇室4時間スペシャル「美しすぎる美智子さま名場面ベスト30」

寄 稿   2017年 5月 写真集「美智子さま ご洋装の輝き」双葉社

 

《捜真の思い出》

捜真を卒業してから半世紀もとっくに過ぎてしまいましたが、中学、高校と一番多感な時期を過ごしたのだから、何か思い出として残っていることがないだろうかと考えてみました。中学から高校へと受験の心配もなく、エスカレーター式に進み、のほほんと過ごしてきた中で、高校生の時だったと思いますが、毎年行われていた合唱コンクールの課題曲の伴奏に努力しまた精神的に苦労したことを思い出しました。

何しろ趣味でピアノを習っていた程度の私が、クラスのみなさんのコーラスの伴奏をすることになったのですから、その時の記憶をたどってみても、どうしてこんな大それたことを引き受けてしまったのか、いまだにわかりません。特に課題曲があの難しいシューベルトの「ます」、こんな難しい曲を弾けるわけがないのですから。出だしの前奏が一番の聞かせどころ、その指使いは超テクニックを有するものでした。当時は無我夢中で練習しましたが指が動かず、挫折する毎日でした。クラスの皆さんのコーラスと合わせるのが怖くて、なんで引き受けたんだろうと後悔しきりでした。超一流の東京芸術大学を卒業された鈴木寛一先生の前で弾くのが本当に嫌で、鈴木先生は素知らぬふりをして聞いていらっしゃいましたが、心の内ではひどいなと思われていたに違いありません。

背伸びするもんじゃないと思いながら、練習を重ね、とうとう本番の日がやって来ました。

何とか大きな間違いもなく、無我夢中で弾いた安堵からボウと立っていた私に、鈴木先生が近寄っていらして一言「よかったね」とねぎらいの言葉をかけて頂きました。

よかったねという意味は「上手に弾けたね」という意味ではなく、「大きな間違いもなく、何とか最後まで弾けて、終わったね」という意味だったのだと思います。練習から私のピアノを聞いていらした鈴木先生の精一杯のお言葉に私は涙が出るほどうれしかったのです。

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