捜真女学校ではチャペルで礼拝が行われ、その音楽は正面にある大きなパイプオルガンによって奏でられています。荘厳で豊かなオルガンの響きが生徒たちの賛美の歌声と共に毎朝神様に捧げられています。
さてそのパイプオルガンですが、1986年、捜真女学校創立100周年の記念に同窓会とPTAの献金によって寄贈されたものです。36ストップの最高級のものがドイツで制作され、シベリア鉄道でナホトカまで運ばれ、そこから船で横浜港までやってきました。パイプオルガンの響きに適した構造に前もって改築されたチャペルに、オルゲルマイスターのペーター・パウル・ケーベル氏と助手のマルクス・ブライヒェン氏の二人によって、2ヶ月半かけて設置されました。当時7000名ほどだった同窓会員の2000名以上がこのプロジェクトに賛同し、募金に協力したことは同窓会の歴史のなかでも忘れてはならない出来事です。
オルガンの完成は1986年2月20日、そして24日に献納礼拝が行われました。その礼拝のなかでケーベル氏は突然立ち上がり、パイプオルガンのところに行き、美しい曲を演奏してくだいました。オルガンの音色と共に、イエス・キリストの福音が伝えられるようにというケーベル氏の祈りが込められた演奏は、そこに集った人々の心に深い感動と感謝を与えました。
捜真のパイプオルガンは現役の捜真生、同窓生にとって最も誇りとする宝物のひとつです。