「ねぇ電話番号教えてよ!」「俺と結婚しようよ!」人生最大のモテ期到来中。1日最低1回はプロポーズされている。ここがアフリカのザンビア、首都のルサカから東へ750㎞行ったド田舎ではなくて、プロポーズしてくる相手が10秒前に出会った名前も知らないザンビア人でなければ、もしかしたら少し喜べたかもしれない。
私は昨年JICAの青年海外協力隊へ応募し、2018年度4次隊のコミュニティ開発隊員としてアフリカの内陸国ザンビアへ来ている。貧困と内戦のイメージが強いアフリカだが、ザンビアは1964年の独立後1度も内戦が起きておらず、アフリカで一番平和な国と言われている。首都ルサカから大型バス(激狭5列シート、冷房なし)で揺られること12時間、マラウイ国境沿いにあるルンダジ郡が私の任地である。そして私の任務は“ネリカ米ときのこ栽培の普及”。簡潔に言えば“高値で売れるお米と、乾季にも栽培可能なきのこ(ザンビアの農家は乾季に仕事がない)で農家の所得向上を目指そう”ということである。まだ赴任して1ヶ月、正直なところまだ本格的な活動は始められていない。バイクで農村部を回りながら、少しずつ農家の情報収集をしている段階だ。
「なんで協力隊に応募しようと思ったの?しかもアフリカに」協力隊へ合格してから色々な人によく聞かれた。“世界の貧しい子供たちを助けるために”とか言えばそれっぽく聞こえるのかもしれないが、嘘はつけない。ただ何となく、中学の授業でJICAの方の話を聞いた頃から、将来の選択肢の1つにはなっていた気がする。「自分の中にある常識、価値観が一切通用しない場所へ行ってみたい」というのが本音かもしれない。それでもこれから2年間私が全力を尽くした結果、ルンダジの農家さんの生活が少し楽になったら嬉しい。そうなるようにベストを尽くそうと思う。
任地へきて一番驚いたこと。それは同じルンダジに住む隊員(地元の中学校でパソコンを教えている)の奥さんが捜真生だったこと。さらに嬉しいことに8月にはルンダジへ遊びに来てくれるそうで、今から楽しみでしょうがない。まさかアフリカのド田舎で捜真生に会えるとは思わなかった。捜真ディアスポラ恐るべし。
チテンゲ(アフリカの伝統布)で仕立てたスカートで、ザンビア隊員仲間と一緒に
ザンビア人みんな大好き主食のシマ(トウモロコシの粉をお湯で練ったもの)
米の需要を増やすために、お米の新レシピを考案してみる。第1弾はおはぎ。不評。