捜真ノート

母校に対して誇りに思っていることや、同窓生の経験を分かち合うページです。

内田萌 ザンビア通信2

家を出発して1時間(約20km)、約束している農家さんの家まではあと10km。唯一の足であるバイクは、さっき転んだせいでフットレストが曲がった結果、ギアが1しか使えなくなった。(短距離ならどうにかなるが、長距離だと絶望的。)周囲に村なし人なし車なし、もちろん圏外。とりあえず水を片手に休憩しつつ途方に暮れてみる。

農家さんへの道。ある程度の道幅はあるのに、バイクが走れるのは1択しかない不思議。インディージョーンズのテーマ曲を脳内再生すると楽しく走れる

ちょっと焦り始めた30分後、たまたま通りがかったトラックのお兄ちゃんが声をかけてくれた。事情を説明すると、持っていたスパナであっという間に修理完了。お金も請求せず、”Safe journey!”(お気をつけて!)と爽やかに立ち去っていった。カッコいい。
困った顔で途方に暮れていれば100%誰かが助けてくれる国。これぞザンビア。

青年海外協力隊としてザンビアへ来て10ヶ月が経った。過ぎた時間を思えばあっという間だった気がするが、残りが1年以上もあることに気がつくと帰国が待ち遠しくもある。

11月下旬から本格的な雨季に入り、活動の主軸でもあるネリカ米は播種(種まき)の時期を迎えた。今シーズン対象としたのは(Mwase1, Mwase2, Chiwe, Kakumba, Munyukwa )の5つの地域のおよそ30農家。
各キャンプでワークショップを開催する。1日でネリカ米の説明から播種のデモンストレーションまでを行い、最後に1人1kgの種を渡して終了となる。現地では種をばら撒いて植える散播が主流のため、30cm間隔でライン状に植える条播のメリットを丁寧に説明していった。

ネリカ米は水田ではなく、畑に直接植えるする陸稲品種。気温と降水量にもよるが、発芽から120日ぐらいで収穫となる

私が活動を始める前に1つだけ決めていたのは”絶対に農家さんへネリカ米を強制しないこと”。ザンビアはトウモロコシが原料のシマが主食の国であり、米は換金作物。生きていくために必須な作物ではない。

だからワークショップに来る農家さんの遅刻や無断欠席は気にしない。関心のある人は参加してくれればいいし、関心がなければ無理してやることでもない。ただ、2時間遅刻してワークショップへ全く参加せずに種だけもらって帰ろうとする人には居残りワークショップをする。
ちなみにザンビアでは30分〜1時間の遅刻がスタンダード。そのためワークショップの開始時刻も大概1時間ぐらいズレる。それに慣れて自分も20分遅刻したら、農家さんに注意されるという理不尽。

数は少ないが、今年本気でネリカ米に取り組んでくれている農家さんがいる。もし彼らが成功したら、来年は関心を持つ人がもう少し増えるかもしれない。見知らぬ外国人の説明より、同胞の成功の方が火種にはなる。

先月のネリカ米の様子

あくまで活動の主体は任地の農家さん。焦ったく感じることもあるが、私の活動の押し売りにならないように、のんびりじっくり続けていきたい。

タクシーの乗車率200%。5人乗りの乗用車に10人乗るのは割と一般的

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